ウクライナの英字新聞「キーウ・ポスト」は、3月27日に戦争研究所(ISW)が発表した驚くべき研究結果をすべての西側諸国の政府、特に米国政府と議会が確認すべきであるという記事を公開しました。[PDF:Denying Russia’s Only Strategy for Success]
「何度も語られた嘘は真実になる」というウラジーミル・レーニンの名言は、1917年以来、ロシアの嘘と欺瞞を成功に導く思想となっています。この名言は、世論を操るロシアの不誠実さと情報操作の能力を端的に示しています。そしてこの策略は、スターリン、ソ連国家保安委員会、それ以降のすべてのロシアの支配者によって増強されてきました。
プーチン大統領はこの策略に、自身が望む決定を自発的に行うように相手を仕向けるべく、パートナーや敵対者に特別に準備された情報を伝達する手段である「反射制御」の概念を加え、西側諸国に誤った情報に基づいた意思決定をさせ、プーチン大統領とロシア政権が望むような決定を下すよう仕向けています。
ISWの研究には次のように記載されています。
「ロシアは自国の利益を世界的に広めるために、認知操作を利用しており、情報作戦は何十年にもわたって重要視され続けています。」
ロシアの侵略戦争では、多くの嘘と欺瞞がウクライナ軍によって暴かれています。例えば、この侵略戦争によるロシア軍の死傷者数は40万人以上ですが、ロシア軍の絶対的な正しさのみが主張されています。海軍を持たない国に敗れ、27隻の軍艦と1隻の潜水艦を破壊されているにも関わらず、ロシアの黒海艦隊の強さが誇張されています。また、米国製の地対空ミサイル「パトリオット」に撃ち落とされているにも関わらず、極超音速ミサイルの優位性や存在しない兵器の精度など嘘で塗り固められた情報を広めています。
西側諸国は、プーチン政権が現在大規模に展開している「反射制御」のプロパガンダ計画の継続的な嘘と欺瞞に騙されてはいけません。計画の詳細は、「Denying Russia’s Only Strategy for Success」と題された研究書に記載されています。
表現方法こそ異なりますが、ディスインフォメーション(意図的な偽情報)と大規模なソーシャルエンジニアリングの概念は同じです。
この記事を書いたBob Onyschuk氏はOnyschuk Strategic Advisorsの社長兼CEOであり、カナダ・ウクライナ商工会議所の創立者で会長でもあります。
原典:Stu Sjouwerman著 2024年4月1日発信 https://blog.knowbe4.com/must-read-new-study-on-russian-propaganda-techniques