サイバー犯罪の発生源となっているのはどの国?



オックスフォード大学とオーストラリア国防大学の専門家を含む国際研究チームは、3年間にわたる画期的な研究により、世界サイバー犯罪指数を初めて開発しました。この指数は、サイバー攻撃への発生源に基づいて各国をランク付けし、特定の国から実行されているサイバー脅威について新たな知見を提供しています。

画像4-May-07-2024-05-48-04-5245-AM科学雑誌「PLOS ONE」に掲載された世界サイバー犯罪指数から、サイバー犯罪を最も多く発生させている主な国家が明らかになりました。これらの国家は、ロシア、ウクライナ、中国、米国、ナイジェリア、ルーマニアであり、世界的に最も重大なサイバー犯罪の発生元になっています。英国もサイバー犯罪指数ランキングのトップ10にランクインしています。

この研究論文の共同執筆者であるMiranda Bruce博士は、この世界サイバー犯罪指数をサイバー脅威に対抗するためのリソース割り当て戦略に役立てることができると力説しています。主要なサイバー犯罪の拠点を特定することで、政府機関と民間企業の両方はサイバーセキュリティへの取り組みを最適化し、最大の脅威を発生させている国への対策に重点を置くことで、他の国への対策に費やすリソースを節約できます。

この研究では、世界中のサイバー犯罪の専門家92人を対象とした包括的な調査が行われており、サイバー犯罪の5つの主要カテゴリにわたってさまざまな国が評価されました。また専門家は、各国から発生するサイバー犯罪の量だけではなく、サイバー攻撃者の高度さとスキルレベルに基づいてランク付けを行いました。

Jonathan Lusthaus准教授は、デジタルマスクや偽のプロフィールで位置情報を隠しているサイバー攻撃者を追跡する際の課題について指摘しています。この指数はこうした隠匿を排除し、サイバー犯罪状況をより明確に把握するための重要なツールになります。

さらにこの研究では、新たなサイバー犯罪のホットスポットを特定することで、大規模なサイバー犯罪が発生する前に、危険に晒されている国々に対して事前に対策できることが指摘されています。このプロアクティブなアプローチは、サイバー脅威の全世界的なサイバー脅威の拡散を抑制する上で極めて重要になります。

フランスのパリ政治学院のFederico Varese教授は、今回の研究は特定の国家におけるサイバー犯罪を助長する要因についての調査の序章に過ぎないと指摘しています。今後の研究では、学歴、インターネット普及率、GDP、汚職レベルなどの要素がサイバー犯罪活動とどのように関連しているかが調査される予定です。

世界サイバー犯罪指数は、世界的なサイバー犯罪の理解と対策を促進する重要な第一歩となります。サイバーセキュリティ専門家は、サイバー犯罪が最も集中している発生源を特定することで、進化する脅威に対して適切な対策を講ずることができ、最終的にはデジタル環境を全ての人にとってより安全な場所にできるようになるはずです。

原典:Stu Sjouwerman著 2024年4月13日発信 https://blog.knowbe4.com/heads-up-global-cybercrime-hotspot-countries-revealed-secure-your-defenses

 

Topics: KnowBe4 SATブログ, サイバー脅威

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