詐取した請求書を悪用してマルウェアを配信をするサイバー攻撃



IBMのX-Forceのリサーチャーは、犯罪グループ「Hive0145」によるフィッシングキャンペーンを追跡しています。このキャンペーンでは、請求書を詐取・悪用して、ユーザーを騙しマルウェアをインストールさせる手口が使用されています。

画像3-1Hive0145は初期アクセスブローカーとして活動しており、侵害した組織へのアクセスを他の攻撃者に提供し、さらなるサイバー攻撃を引き起こしています。

X-Forceのリサーチャーはこれらの攻撃について次のように説明しています。
「過去1年間でHive0145は、ヨーロッパ全域の組織を標的とするために、戦術、技術、手法(TTP)を進化させてきました。イタリア、スペイン、ドイツ、ウクライナの被害者は、悪質な添付ファイルを受信し、そのファイルを開くように仕向けられます。このキャンペーンでは、多くの場合、被害者に緊急に対応するように促すメッセージが添えられた偽の請求書や領収書が送信されます。添付されたファイルを開くと、被害者は気づかないうちに、「Strela Stealer」と呼ばれるマルウェアを実行してしまいます。」

特に注意すべき点は、攻撃者が実際に詐取した請求書を悪用して、フィッシングメールの信憑性を高めていることです。

X-Forceのリサーチャーは次のように述べています。
「2024年7月、Hive0145が配信するメールの内容が、簡易で一般的なメッセージから、正規の内容が含まれるように見える不正なメールに変更されていることが確認されました。これらのフィッシングメールは、正規の請求通知メールと完全に一致しており、正規メールに記載されていた受信者に直接送られていたケースもありました。また、X-Forceは、これらのメールが金融、テクノロジー、製造、メディア、eコマースなど、多岐にわたる業界の正規の請求通知であることを確認しています。このグループは以前のキャンペーンで詐取した認証情報を使用し、これらのメールを入手した可能性が高いと考えられます。」

Strela Stealerは、メールの認証情報を詐取するために設計されたマルウェアです。X-Forceは、攻撃者がこれらの認証情報を悪用し、標的となる組織でビジネスメール詐欺(BEC)攻撃を展開する可能性が高いことを指摘しています。

X-Forceのリサーチャーは次のようにまとめています。
「Hive0145が詐取したメールを使用して添付ファイルを配信していることは、詐取された認証情報の一部が、正規メールを大量に収集する目的で悪用されており、それらのメールがその後でさらに悪用されていることを示しています。詐取されたメールやHive0145が作成したメールのほとんどは請求書関連のメールであり、金銭を目的としていることが示しています。また、詐取されたメールは、他のサイバー攻撃者に販売され、さらなるビジネスメール詐欺が実施されている可能性も考えられます。」

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詳細については、SecurityIntelligenceの記事を参照してください。

原典:Stu Sjouwerman著 2024年11月13日発信 https://blog.knowbe4.com/criminal-threat-actor-uses-stolen-invoices-to-distribute-malware

Topics: フィッシング, KnowBe4 SATブログ

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