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米上院議員、ディープフェイクでウクライナの外相になりすましたサイバー攻撃者とZoom会議を行う

作成者: TOKYO, JP|Oct 14, 2024 11:00:00 PM

現在では、テクノロジーが進化し、本物と偽物が区別しにくくなっています。ベン・カーディン上院議員が最近被害に遭ったことによって、ディープフェイク詐欺の脅威がいかに深刻であるかが浮き彫りになっています。

ディープフェイクを悪用するこのような高度な攻撃は、著名人が標的になりやすいという事実を浮き彫りしているだけではなく、すべてのユーザーにとってセキュリティ意識向上トレーニングが必要であることを示しています。

9月上旬に、カーディン議員は巧妙なディープフェイク攻撃の標的となりました。サイバー攻撃者はウクライナのドミトロ・クレーバ外相になりすまし、カーディン議員とZoom会議を行っています。このなりすましは、当初カーディン議員とそのスタッフが信じてしまうほど極めて巧妙であり、現在のディープフェイクテクノロジーの驚くべき精度が明らかになりました。

しかし、ミーティング中にサイバー攻撃者がクレーバ外相とは思えない政治的な質問をし始めたことで、カーディン議員とそのチームは不信感を抱き、通話を中断して警察に通報しました。

広範囲に及ぶディープフェイクの影響

今回のインシデントは氷山の一角に過ぎません。ディープフェイク詐欺はますます広がり、巧妙化しています。最新の調査によると、多くのユーザーがディープフェイクコンテンツに遭遇し、中には詐欺の被害に遭ったユーザーもいます。著名人になりすました詐欺師が仮想通貨プラットフォームを推奨するケースから政治的なディスインフォメーションキャンペーンまで、ディープフェイクはさまざまな目的で悪用されており、懸念が広がっています。

ディープフェイクの時代に自分を守るには

ディープフェイクの脅威に対抗するには、懐疑心と警戒心を持つことが重要であり、ユーザーは以下について注意する必要があります。

  1. 予期しないコミュニケーション、特に機密情報や金融取引に関するものは必ず確認する。
  2. 緊急性を煽って何かの操作をさせる手口に注意する。これらは典型的な詐欺の特徴です。
  3. 最新のディープフェイクテクノロジーや詐欺の手法について常に情報を収集する。
  4. 企業や組織で堅牢な検証プロセスを導入する。
  5. 自分の直感を大切にする。何かがおかしいと感じたら、詐欺である可能性が高いと思ってください。

 今後の見通し

ディープフェイクを検出するテクノロジーは発展途上であり、最善の防御策は従業員への教育とセキュリティ意識の向上にあります。常に最新の情報を入手し、警戒心を怠らないようにすることで、こうした高度な詐欺に遭うリスクを軽減できます。

テクノロジーが進化してもなお、カーディン議員が経験したように、直感や批判的思考は、セキュリティ対策において最も重要な防御手段となり続けるはずです。

KnowBe4のセキュリティ意識向上トレーニングは、従業員のセキュリティ意識を高め、日々求められるセキュリティ上の判断に従業員一人ひとりが的確な意志決定を下すことを可能にします。世界の7万社を超える企業や団体がKnowBe4を採用して、防御の最終ラインとして「人」による防御壁を構築して、セキュリティカルチャーの形成につなげています。

詳細については、Dark Readingの記事を参照してください。 

原典:Stu Sjouwerman著 2024年10月1日発信 https://blog.knowbe4.com/rise-deepfake-scams-us-senator-becomes-latest-victim