「あなたは国際的なスパイ活動に関わっていますね?」詐欺



詐欺師がAmazonや米国郵便局などの信頼できる有名企業、または警察や情報機関を装って被害者に連絡し、「被害者が国際的なスパイ活動に関与している証拠がある」と主張するタイプの詐欺が発生しています。

画像2-2被害者は突然の出来事に困惑し、不安に駆られ、何が起きているのか理解できません。詐欺師は、被害者に電話を切らないよう指示し、「国家機関の担当者」を名乗る別の詐欺師に繋ぎます。この「担当者」は、「より大規模なスパイ組織を追跡している」と説明し、被害者に捜査協力を求めます。

やがて被害者は、銀行口座や年金口座から大金を引き出すよう説得され、さらに何が起こっているのかを他人に話さないよう指示されます。「捜査官」を名乗る詐欺師は、被害者に銀行員へ嘘をつくよう要求し、スマートフォンのスピーカー機能をオンにさせて銀行員との会話を監視します。

その後、被害者は路上で待機している人物に現金を手渡すことになります。これらの人物は通常、車やトラックに乗っており、現金を受け取るとすぐにその場を立ち去ります。被害者は「自分のお金が盗まれたり、テロリストの資金源として使われたりするのを防いだ」と信じ込まされます。

しかし、これはすべて詐欺であり、被害者が手渡した金額は二度と戻ることはありません。このような詐欺を実行した犯人が逮捕されたという報告は、これまで確認されていません。

以下は、ここ数か月間に報告されたこの詐欺手口の具体例です。

批評家は、こうした詐欺に引っかかる被害者を非難し、「どうして突然自分が国際的な捜査に巻き込まれたと思い込めるのか?」「なぜ電話でFBIだと名乗られただけで相手を信じられるのか?」「なぜ何万ドルから何十万ドルもの現金を路上で見知らぬ人に渡すことができるのか?」と疑問を投げかけています。

しかし、被害者を責めるべきではありません。被害者は、その時の状況や心理状態によって思いもよらない詐欺電話を信じてしまったのです。詐欺のメッセージや状況が的確に設定されていれば、誰もが何らかの詐欺に引っかかる可能性があります。「自分は騙されない」と過信している人ほど、詐欺に遭うリスクが高いとされています。

防止策

この「ジェームズ・ボンド」のような詐欺に対する技術的な防止策は存在しません。教育と意識を高めることが唯一有効な対策です。そのため、この記事を詐欺に遭うリスクが高いと思われる方と共有してください。特に高齢者は、若者よりも貯蓄額が多く、警察を名乗る電話を信じやすい傾向があるため、詐欺の標的になりやすいです。

また現時点では、これらの詐欺は大都市で発生しているケースが多いようです。おそらく、逃走時に混雑している交通の中で姿をくらませたり、複数の逃走ルートを利用できるようにしたりするためでしょう。

被害者となる可能性のある人には、ベンダーや警察、または国家機関を名乗る人物から予期せぬメールや電話、特にこれまでにしたことのない行動を求められる場合には懐疑心を持つよう伝えてください。

また、電話をかけてきた相手が本当にその組織に所属しているか、公式の連絡先を通じて確認することが重要です。特定の非公開番号でしか連絡が取れないと言われた場合は、詐欺の可能性が高いです。

銀行に嘘をつくように要求したり、銀行に行っている間にスマートフォンのスピーカー機能をオンにさせたりするなど、取引内容を秘密にするよう要求される場合は、間違いなく詐欺であるといえます。

被害者がこうしたレッドフラグに気づけず詐欺に引っかかってしまったことを、恥ずかしく思うのは無理もありません。しかし、多くの被害者は、こうした詐欺の兆候を事前に知っていれば被害を回避できたはずです。トレーニングとセキュリティ意識の向上は、人間によるリスクを減らすのに非常に効果的です。 

原典:Roger Grimes著 2024年12月20日発信 https://blog.knowbe4.com/james-bond-style-scamming-profits-explode

Topics: セキュリティ意識向上トレーニング, KnowBe4 SATブログ

Get the latest about social engineering

Subscribe to CyberheistNews