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2025年のKnowBe4トレーニング利用状況から見るセキュリティの現状

作成者: TOKYO, JP|Dec 2, 2025 11:59:59 PM

多くの組織が、セキュリティ意識向上やコンプライアンス関連トピックについて毎月数百万人の従業員を教育するためにKnowBe4を活用しています。10月はセキュリティ意識向上月間であるため、トレーニングの受講数が毎年記録を更新しています。2025年も例外ではありませんでした。

KnowBe4では先月、インタラクティブなトレーニングモジュール、ゲーム、アセスメント、ビデオモジュール、オーディオキャストなど、KnowBe4のセキュリティ意識向上トレーニング(KSAT)に関するモジュールが合計で約1,800万回受講されました。これは当社にとって新記録です。この数字には、サードパーティのLMSを利用している組織や、独自のカスタムトレーニングコースを利用している組織は含まれていません。そのため、あくまで全体のごく一部を切り出したデータです。

このデータを見ると、SATコンテンツの利用状況の変化について、いくつか心強い傾向が見て取れます。

まず、1人あたりの完了モジュール数の平均値も前年から大きく増加しています。1本あたりのコンテンツを短くし、複数の学習アクティビティを組み合わせたモジュラー型の構成への移行が成功していることが分かります。このようなマイクロラーニングのアプローチは、受講者のエンゲージメントや満足度を高め、望ましい行動を促す手法として、科学的にも有効性が示されています。

さらに、どのモジュールも100万回の完了には達していません。これは、特定のモジュールだけに依存するのではなく、各組織が自社に適したコンテンツを組み合わせて幅広く活用していることを示しています。こうした使われ方は、それぞれの組織がセキュリティカルチャー成熟度モデル(Security Culture Maturity Model)のどの段階にいるかをうかがわせる指標にもなります。

私がKnowBe4に入社した7年前には、モジュール利用の75%が「KSAT 45分」と「KSAT 30分」の2つのモジュールに集中していました。現在は、より短いモジュールが増え、トピックも多様化し、さまざまなテーマをミックスして利用する傾向が強まっています。タイトルにAIと付いているモジュールはまだ2つしかありませんが、AIを悪用した攻撃やAIの適切な使い方というトピックの受講数は上昇しています。

お客様にアンケートやコメント機能を多くご利用いただいた結果、今年のコンテンツに関するアンケート結果は300万件を超えました。ユーザーには、コンテンツの役立ち度、長さ、内容といった3つの指標について、1〜5の5段階で評価していただきました。先月の平均スコアは4.59で、前年の4.54から上昇しています。わずかな上昇に見えるかもしれませんが、4.3から現在まで着実にスコアを積み上げてきた経緯を踏まえると、大きな前進を意味します。

また、必須トレーニングとして実施されるコンテンツに対する評価としては、非常に高い水準と言えます。多くの方々がコンテンツを楽しみながらセキュリティを学べていることが分かります。当社では、トレーニングの評価結果やアンケートコメントを定期的にレビューしています。ぜひ皆さまの組織でも同様に活用し、プログラムの継続的な改善に役立ててください。

よくいただく質問の1つに、「トレーニングを割り当てられた人の受講完了率はどのくらいか」というものがあります。トレーニングキャンペーンには、必須キャンペーンと任意キャンペーンの2種類がありますので、ここでは分けてお伝えします。

10月には、任意トレーニングキャンペーンを展開した組織が約1万ありました。これらのキャンペーンでは、平均受講完了率が34%と堅調な結果でした。一方、必須トレーニングについては、今後数週間のうちに完了率がほぼ100%に近づくと見込んでいます。多くの業界では、法令や規制への対応として何らかのトレーニングを受講することが求められており、10月に開始したキャンペーンでは、受講期間を12月末まで設けている組織や、さらに数週間の猶予を与えている組織もあります。そのため、この記事の公開時点では確定した数字は出ていませんが、2025年の他の月では、期限内の受講完了率はおおむね80%前後で推移しています。

また、今年は英語以外の言語で実施されたトレーニングが全体の2割を超え、これも過去最高となりました。米国英語での完了件数は1,000万件超、英国英語での完了件数は300万件超となっています。

さらに、サイバーセキュリティトレーニングの観点では10月が重要である一方で、コンプライアンス向けトレーニングであるCompliance Plusでも、同月の完了件数は60万件近くに達し、こちらも過去最高を更新しました。すでにCompliance Plusをご利用中の組織はもちろん、まだライブラリにアクセスしていない場合も、ぜひデモをご依頼ください。セキュリティ意識向上トレーニングとコンプライアンストレーニングを組み合わせることで、時間とコストの両面で大きな効果が期待できます。

10月は年間で最も忙しい月であるものの、数年前と比べると、10月だけが突出した「ピーク」というわけではなくなってきたという傾向も見られます。例えば、9月の完了件数は1,100万件を超えており、今年は年間を通じて、毎月おおむね1,000万件前後で推移しています。これは、多くの組織が年1回のトレーニングだけでは不十分だと認識し、四半期ごとや毎月のトレーニングへ移行していることを意味します。

現在、少なくとも四半期ごとのトレーニングを実施している組織は67%に達しており、この割合は今も増え続けています。このような継続的なトレーニングモデルでは、従来の年1回のトレーニングと比べて、受講完了率やアンケート評価が高いことも確認されています。

皆さまには、ぜひ自社のトレーニングの数値を経営陣に報告し、ここで紹介した受講率や評価と比較しながら、自社の状況を把握していただきたいと思います。私たちは継続的な改善を重視しており、こうした数値や成長の軌跡が、より良いサービスの提供に向けた大きな原動力になっています。

日頃からお寄せいただいているフィードバックにも心から感謝しています。2026年の10月はもちろん、1年を通じてこれまでで最も充実したトレーニングの年にできるよう、皆さまとともに取り組んでいきたいと考えています。そのための準備は、すでに今から始まっています。

原典:John Just著 2025年11月14日発信 https://blog.knowbe4.com/cybersecurity-awareness-month-by-the-numbers