このセキュリティ意識向上トレーニングブログは、ビジネスとして成長するサイバー犯罪の実態を日本の企業・団体にいち早く認識していただくために作成しました。
米国サイバーセキュリティ調査会社であるCybersecurity Venturesは、サイバーセキュリティの最新のレポートを発表し、同社のWebサイトに投稿しています。同社が発表した今回のレポートはサイバー犯罪の成長を数値として端的に予測しています。このレポートでは、2023年にサイバー犯罪の被害コストが8兆米ドルに達すると報じています。
この被害コストを国家の経済規模に換算すると、サイバー犯罪はなんと、米国、中国に次いで世界第3位の経済大国となります。
これはこれまでの経済的富の概念を変えるものであると言っても過言ではありません。経済構造の移転をも引き起こし、技術革新と投資のインセンティブを危険にさらすものになりかねないと危機感を感じざるを得ません。この額は、1年間に自然災害によってもたらされる損害よりもはるかに大きく、すべての違法薬物の世界的取引を合わせたものよりも収益性が高くなります。
また、同レポートは、世界のサイバー犯罪の被害コストは今後3年間で年間15%増加し、2015年の3兆米ドルから、2025年には年間10.5兆米ドルに達すると予想しています。
サイバー犯罪の被害コストには、ランサムウェアの身代金などの直接的な被害額に加えて、データの損害や破壊、盗難額、生産性の低下、知的財産の盗難、個人データや財務データの盗難、横領、詐欺、攻撃後の通常業務の中断、フォレンジック調査、ハッキングされたデータやシステムの復元と削除、風評被害などの間接コストが含まれます。
Cybersecurity Venturesが発行し、eSentireがスポンサーを務めるこの「2022 Official Cybercrime Report」では、我々が直面しているサイバー脅威の大きさを伝えるサイバー経済の実態、数値データ、予測、統計が示されるとともに、それに対して何ができるかを理解するための市場データを提供しています。このレポート(英文)は、次のリンクをクリックしてください。また、1分弱のショートビデオになりますが、 このレポートのハイライトをここからご視聴ください。
https://cybersecurityventures.com/cybercrime-to-cost-the-world-8-trillion-annually-in-2023/
参考文献:Stu Sjouwerman著 2023年1月21日発信https://blog.knowbe4.com/cybercrime-the-worlds-third-largest-economy-after-the-u.s.-and-china