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新年度の「新入社員」に忍び寄るビジネスチャット詐欺に注意

作成者: TOKYO, JP|Apr 15, 2026 1:00:01 AM

多くの日本企業が新年度を迎え、新入社員が現場に配属されるこの時期、セキュリティ意識の隙を突く「フィッシング攻撃」への警戒が必要です。特に近年、メールに代わり、ビジネスチャットツールを悪用した巧妙な詐欺手法が急増しており、ビジネス経験が浅い新入社員は、こうした攻撃に巻き込まれるリスクが高く、より一層の注意が必要です。

ヒューマンリスクとエージェンティックAIのリスクマネジメントを包括的に支援する世界的サイバーセキュリティプラットフォームベンダーであるKnowBe4 Japan合同会社(本社:東京都港区、職務執行者社長:力 一浩)では、最新のビジネスチャット型フィッシング攻撃の手口と、新入社員研修で今すぐ取り入れるべき「心理的アプローチ」について、以下の通り注意を喚起します。

◆「メール」から「チャット」へ。標的型攻撃の巧妙な手口

現在、攻撃者はEmailセキュリティ製品による防御をすり抜けるため、ビジネスチャットツールを”主戦場”に選び始めています。とりわけ、ビジネスチャットは「社内限定の安全なツール」という認識も強く、そもそも外部からの悪用を想定していない社員も少なくありません。 その結果、「チャットは安全だろう」という油断が生まれ、わずかな違和感を見落としてしまうリスクが高まっています。

攻撃の特徴として、次のようなポイントが挙げられます。

  • 極めて自然な日本語:違和感のない自然な日本語のメッセージで接触してきます。
  • 経営層へのなりすまし:アイコンや名前を偽装し、社長や役員を装って「至急の振込」や「機密情報の共有」を要求します。
  • 周到な事前調査に基づく「インテリジェンス型」の狙い撃ち:攻撃者はターゲットのプロファイルや組織内での役割を事前に徹底してリサーチしています。経理・財務など特定の権限を持つ部門をピンポイントで特定し、「いつ、誰に、どのような口実で接触すべきか」を戦略的に組み立ててから接近するため、場当たり的な攻撃とは一線を画す高い成功率を誇ります。
  • 資金回収の困難さ:こうした詐欺の振込先は海外口座に設定されるケースが多いため、一度送金が実行されると、金融機関による送金停止や資金の凍結、その後の回収が極めて困難となります。国内の不正利用のような補償制度も適用外となることが多く、企業にとって文字通り「回復不能な損害」を招くリスクがあります。

◆「即レスプレッシャー」と新入社員の脆弱性

ビジネスチャットはメールよりもリアルタイム性が高く、心理的な「即レスプレッシャー(すぐに返信しなければならないという圧力)」が働きやすい傾向にあります。相手が上司や役員を名乗っている場合、そのプレッシャーはなおさら強くなるでしょう。

特に、ビジネス経験が浅く、組織のルールに不慣れな新入社員は、このプレッシャーから怪しいメッセージでも会話を進めてしまうリスクが極めて高いと言えます。

◆新入社員研修で押さえるべきビジネスチャットのリスクと備え

新入社員研修において、フィッシング対策を「メール」の範疇だけで終わらせてはいけません。今、教育担当者が最も警戒すべきは、防御の隙間を突くビジネスチャットツールを使った攻撃す。

研修・教育の中では以下のポイントを押さえておく必要があります。

  • 新年度の組織変更を突くチャット詐欺: 部署移動や新人の配属が重なる4~5月は、誰が正当な権限を持っているかの確認が疎かになりがちです。攻撃者はこの混乱期を狙い、チャット上で上司や役員になりすまして接近してきます。
  • 研修プログラムの即時アップデートを: 「メールは警戒していても、チャットは安全な身内の場所」という先入観を持つ新人は少なくありません。今後のセキュリティ教育には、ビジネスチャットツールを使った攻撃が一般化していることを必ずトピックとして組み込んでください。
  • 即レスプレッシャーへの対策: 「早く役に立ちたい」と意気込む新人ほど、チャット特有の即時性に煽られ、不審なリンクを反射的にクリックしてしまいがちです。ツールの利便性の裏には、こうした心理的隙を突く脅威が潜んでいることを伝える必要があります。
  • 失敗の報告を教育の入り口に: 万が一引っかかってしまったとしても、それを責めるのではなく、適切な報告手順を教えるきっかけにしてください。チャットでの「なりすまし」に気づく力を養うと同時に、心理的安全性を確保した報告文化を醸成することが、組織全体の防御力を高める最初の一歩となります。

◆教育の「納得感」を高める鍵:新入社員の本音と向き合う対話

新年度の集合研修において、フィッシング対策などのセキュリティ教育を一方的に「詰め込む」だけでは十分な効果は得られません。教育を施したはずの新入社員が訓練メールに引っかかってしまう背景には、担当者の想像とは異なる「セキュリティに対する意外な先入観」が潜んでいることがあります。

実際、訓練に失敗した新入社員と対話したある企業では、その原因が知識不足ではなく、「高度なセキュリティ製品が導入されているのだから、危険なものは届かないはずだ」という技術への過信であったことが判明しました。

研修の場では、まず新入社員がセキュリティに対して抱いている「本音」を聞いてみてください。

  • 「セキュリティ対策はIT部門がやるもので、自分たちにはあまり関係ないのでは?」
  • 「入社したばかりの自分たちが狙われるはずがない」
  • 「ツールが便利なら、守りも完璧なはずだ」

こうした彼らの印象や姿勢を否定せずに受け止めることで、「なぜ今、この教育が必要なのか」「なぜ人間が最後の砦なのか」を論理的に、かつ納得感を持って説明するためのヒントが見つかります。対話を通じて彼らのバイアス(思い込み)を解き明かすことこそが、教育効果を最大化させる近道です。

◆KnowBe4 アジア太平洋・日本担当 CISOアドバイザ-

カウィン・ブーニヤプレディー博士(Dr. Kawin Boonyapredee)のコメント

日本でビジネスチャットツールを悪用した詐欺が急増している現状は、技術的な防御策だけでは限界があることを物語っています。今、組織に求められているのは、人、文化、そしてリーダーシップへの投資です。そのために企業が取りうる重要なステップとして、次のポイントが挙げられます。

  • 従業員の主体性を引き出す、実効性の高いシナリオベースのトレーニングを導入するビジネスチャットツールには、情報漏洩、経営層へのなりすまし詐欺、「安全である」という盲信、などのリスクがあることを従業員に教育すること。

  • 不審なメールやチャットに対して、「一度、立ち止まって確認する」ことを習慣化し、万が一の際のミスを責めない報告文化を構築する

  • セキュリティ部門だけでなく、人事、法務、財務、IT、そして経営層を含む部門横断的な会議を定期的に開催し、トップダウンで責任と役割を明確にする。

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KnowBe4 Japan著