KnowBe4 Blog (JP)

MicrosoftとKnowBe4、不審メールの通報ボタン「Microsoft Ribbon Phish Alert Button」の開発で協業

作成者: TOKYO, JP|Jun 19, 2024 1:03:07 PM

増え続けるフィッシング攻撃は、組織にとって絶え間なく降りかかる脅威です。この脅威への対策として、従業員が疑わしいメールを管理者に通報することの重要性は高まっています。不審なメールを通報することが習慣化することは、潜在的な脅威の検出とリスクの低減に役立つだけでなく、従業員のセキュリティ意識の向上に大きな役割を果たします。フィッシングの疑いがあるメールを通報することは重要とはいえ、その方法は簡単とは言えませんでした。

フィッシングメールを通報することを複雑にする主な要因の一つは、異なるメールプラットフォームやセキュリティソリューション間で標準化された通報ボタンがないことです。様々なベンダーが独自の不審メールの通報手段や通報ボタンを提供しており、それぞれボタンの場所や機能が異なります。このような統一性のなさが、従業員が疑わしいメールを迅速かつ効率的に報告することを困難にしています。さらに、複数の通報ボタンがあれば、従業員が戸惑うことになり、誤検出が生じ、セキュリティチームが不要なアラートに翻弄される原因にもなります。

このような課題を認識し、KnowBe4はMicrosoftと連携して、標準化されたカスタマイズ可能な通報ボタンをMicrosoft Outlookに直接統合し、これを「Microsoft Ribbon Phish Alert ButtonPAB)」と名付けました。このパートナーシップは、フィッシングメールの通報プロセスを刷新し、Outlookプラットフォームの全てにわたって統一されたユーザーエクスペリエンスを提供することを目的としています。

Microsoftとの協業

先日のMicrosoft Buildカンファレンスで、Officeプラットフォームチームの技術担当であるSam Ramon氏は、Outlookアドインソリューションのいくつかの重要なアップデートを発表しました。これらのアップデートとして、KnowBe4との共同開発によって組み込まれた新しいスパムレポート機能が紹介されました。この機能は、KnowBe4が提供するセキュリティ意識トレーニングとフィッシング訓練と統合され、フィッシング通報機能を強化するために設計されています。

KnowBe4のプロダクトマネージャーであるBrandon Smithは、プレゼンテーションの中で、この協業の利点を強調しました。このブログの最後に記載されているビデオをご覧ください。Outlook用の新しい不審メール通報アドインは、従業員にとってのフィッシング通報プロセスをより簡単にして、通報を促進することを目的としています。今回の統合により、不審メール通報ボタンがOutlookのリボン内に配置され、従業員がワンクリックで疑わしいメールを通報できるようになります。

主な機能とその利点

  1. 統一されたユーザーエクスペリエンス 新しく統合されたPhish Alert Button(PAB)は、Windows版Outlook、Mac版Outlook(プレビュー)、Web版Outlookなど、ほとんどのバージョンのOutlookで共通の操作性とユーザーエクスペリエンスを提供します。統一された操作感により、複数の異なる通報ボタンに従業員が戸惑うこともなく容易に通報ができます。
  2. 効率化された通報プロセス 従業員は、複数のメニューを操作したり、通報用のメールアドレスにメールを転送したりすることなく、受信トレイから直接不審なメールをワンクリックで通報できるようになりました。これにより通報のための手間を省き、潜在的な脅威を見逃すリスクを低減します。
  3. 拡張されたセキュリティ 新しいアドインは、標準化された簡単にアクセスできる通報の仕組みを提供することで、ユーザーのコンプライアンスを向上させ、組織の全体的なセキュリティ体制を強化します。これにより、セキュリティチームは従業員からのコメント付きの詳細な通報を受け取ることができ、より迅速で効果的な脅威分析が可能になります
  4. 協業とイノベーションKnowBe4とMicrosoftのパートナーシップは、サイバー脅威に対抗する革新的なソリューションの開発における協業の重要性を明確に示しています。KnowBe4のセキュリティ意識に関連する知見と専門知識とMicrosoftのソフトウェアにおける先進性を組み合わせることによって、この新しいアドインはコラボレーションとイノベーションを生み出し、メールセキュリティを強化するための強力なツールを提供します。
  5. シームレスなインテグレーションMicrosoft のインフラをバックエンドで活用し、カスタマイズ可能なフロントエンドを使用することで、より迅速な展開と通報が可能になり、脅威の特定から通報までのプロセスが円滑になります。従業員にとっては通報のための手間や面倒を減らすことができます。さらに、模擬フィッシングメールをKnowBe4のシステムにも通報できるため、2つのプラットフォームの連携が強化されます。

Microsoft Ribbon Phish Alert Button プロダクトマニュアル

KnowBe4Knowledge Base Microsoft Ribbon Phish Alert Button (PAB) を使用すると、従業員は不審なメールを簡単に通報でき、サイバー攻撃から組織を守ることができます。PABをMicrosoftのスパム通報機能と統合すると、OutlookのリボンにPABが表示されます。従業員がPABをクリックしてメールを通報すると、潜在的な脅威についての警告をITチームに迅速に与えることができます。Microsoft 365 DefenderプラットフォームとKSATコンソールで報告メールを受信できます。Microsoft Ribbon PABのインストール方法およびユーザーのメールクライアントでのPAB利用方法については、 ここからKnowBe4のKnowledge Base(英文)を参照してください。

今後の展望

Microsoft Ribbon Phish Alert Buttonの導入は、フィッシング攻撃との闘いにおける大きな前進です。より多くの組織がこのソリューションを採用することで、フィッシングメールの報告の容易さと効率性は間違いなく向上し、脅威の検知と予防の向上につながるでしょう。

今後も、KnowBe4とMicrosoftは、このアドインの改良と拡張に取り組んでいきます。今後のアップデートには、よりスマートな分析、プラットフォーム間のより深い統合、セキュリティとユーザーエクスペリエンスをさらに向上させる追加機能などが含まれる予定です。

KnowBe4とMicrosoftのコラボレーションは、サイバーセキュリティの課題に取り組む上でのイノベーションとチームワークの力を例証するものです。この新しいMicrosoft Ribbon Phish Alert Buttonは、巧妙化・大量化し続けるフィッシング攻撃への対策をより合理的かつ効果的に行うことを可能にします。そして、従業員一人ひとりにとってのより安全なデジタル環境を構築することを可能にします。

参考ビデオ:
以下のハイパーリンクをクリック
Microsoft Build - Outlook Add-ins Transformed

または、次のURLをコピー/ペイスト:
https://build.microsoft.com/en-US/sessions/59e11b57-6a0b-4403-9785-cdd996d3e382?source=/speakers/9afb9b35-8257-4b07-ab05-f327239ddc1e

原典:Stu Sjouwerman著 2024年6月17日発信 https://blog.knowbe4.com/microsoft-and-knowbe4-collaborate-on-phish-alert-button-for-outlook